女性起業家向けアクセラレーションプログラム「HANANOWA」 女性起業家向けアクセラレーションプログラム「HANANOWA」

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2026.06.23

HANANOWA in NAGOYA DEMODAY レポート

挑戦は、特別な人のものではない 

―HANANOWA in NAGOYA DEMODAY レポート ―

HANANOWAとは

挑戦したい思いがあっても、最初の一歩を踏み出すには、さまざまな壁があります。それは能力の問題だけではなく、環境の問題でもあります。

特に、起業初期の女性や、副業・複業から事業づくりを始めようとする女性にとって、「起業」はいきなり飛び込むには大きく感じられることがあります。価格をつけることへの迷い、本業や家庭との両立、身近なロールモデルの少なさ、周囲の理解や無意識のバイアス。そうした要素が重なり、挑戦したい気持ちがあっても、前に進みづらくなる場面があります。

HANANOWAは、そうした女性たちが、自分の思いや経験をもとに事業づくりを進めていくための、女性起業家向けアクセラレーションプログラムです。学びや対話、メンターからの助言、実践の機会を通じて、アイデアを少しずつ具体化し、事業として形にしていくことを支援しています。

開会式の様子
<開会にあたり、HANANOWAの目的が共有された。>

挑戦を評価する視点

HANANOWAの集大成であるデモデイが、2026年2月18日(水)なごのキャンパスにて開催されました。今回のデモデイには、 起業支援、事業開発、地域連携など、それぞれ異なる立場から女性の挑戦に伴走してきた審査員に参加いただきました。派手な成果だけを見るのではなく、「この挑戦は続くのか」「この人が実際に動き続ける力を持っているか」という視点で評価されていました。

審査基準は、「実現性」「課題性」「想い」です。
・課題が具体的であること。
・そして、今のフェーズで小さくても動き出せる設計になっていること。
完成度ではなく、“ここから動く力”が見られていました。

HANANOWA in NAGOYA 審査基準 実現性・課題性・想い
<「実現性・課題性・想い」という評価軸が共有された。>

3か月で起きた変化

参加者の多くは、事業づくりの途中にありました。法人化前の方も、副業段階の方もいて、アイデアやサービスをどう形にしていくか、それぞれが課題や迷いを抱えながら参加していました。

「いきなり起業って、正直ハードルが高いんです。」
「一人だと、どうしても動きづらいんです。」

そうした本音が、プログラムを通じて少しずつ整理され、自分の事業を説明する言葉へと変わっていきました。価格やターゲットを考え、周囲の反応を受け取り、仲間に応援されながら、自分もまた誰かの挑戦を応援する。そうした関係性のなかで、事業に向き合う姿勢にも変化が生まれていきました。

デモデイは、その変化を共有する場でもありました。3か月のなかで何を考え、どこまで進み、次に何に取り組もうとしているのか。その過程は、当日の表情や言葉にも表れていました。

HANANOWA in NAGOYA プレゼンの様子
<自身の言葉で構想を語る姿に、3か月の積み重ねが表れていた。>

言葉になった7つの構想

 石神 愛奈さん
— RePro:人と組織の“働く”を、もう一歩先へ進めるワークケアプラットフォーム

石神さんは、働く人と組織双方が抱える“パフォーマンスの限界”を課題として捉え、組織全体の働き方や復職支援の仕組みを再設計するモデルを提示しました。多くの企業が見逃しがちなプレゼンティーズムや心理的ハードルを可視化し、復職前後の状態を仕組みとして支える設計です。
「個人の問題じゃなくて、組織の問題だと思っています。」という言葉に象徴されるように、課題設定の構造化が明確でした。

審査員からは、「個人ではなく組織の課題として捉えている点が非常に重要」との評価がありました。プレゼンティーズムという見えにくい問題を扱っていることも社会的意義が高いとされました。実証事例を積み上げていけば、導入可能性はさらに高まるとの前向きな講評でした。

石神 愛奈さんがオンラインでピッチを行っている様子
<石神さんはオンラインでの事業の発表でした。>

野田 由起子さん・鈴木 陽子さん
— 「やってみたい」想いを持つ女性が自分らしく一歩を踏み出せるコミュニティスペース

野田さんと鈴木さんは、「やってみたい」という想いを持つ女性が、自分らしく一歩を踏み出せる場づくりについて発表しました。挑戦を始める前の段階から仲間と出会い、支え合いながら、少しずつ行動につなげていける空気をつくることが大きなテーマです。

発表では、場に参加する女性たちが抱える不安や迷いに寄り添いながら、安心して話せる関係性をつくることの大切さが語られました。自分の想いを言葉にし、周囲と共有できる居場所があることが、次の一歩を踏み出す支えになるという考えが示されました。

審査員からは、挑戦前の不安に寄り添う設計が評価されました。一方で、場づくりをどのように継続していくかが今後のポイントになるとの示唆もあり、循環を生む可能性を感じる構想として前向きな講評がありました。

野田 由起子さん・鈴木 陽子さん がピッチをしている様子

③馬場 亜希子さん
— 高齢者の孤立や孤独死を防ぐために、毎日を豊かにする居場所の提供

馬場さんは、高齢者が孤立や孤独死に直面する社会課題に対し、役割創出型の居場所を提供する構想を提示しました。支援される存在ではなく、誰かの役に立てる存在になるための拠点です。

「誰かの役に立てる場所があったらいいと思いました。」という言葉の重みが、具体的な設計にも表れていました。

審査員からは、孤立を役割の喪失として捉える視点が本質的だと評価されました。小さく始められる現実的な設計も強みとされ、「すぐに一歩目を踏み出せる準備ができている」との声がありました。

馬場 亜希子さんがピッチをしている様子

④谷中 香音さん
— 誰もがつながり合い学び挑戦できる複合型施設

谷中さんは、世代や属性に関係なく誰もがつながり合い、学び、挑戦できる拠点を設計しました。挑戦は個人の勇気だけでなく、環境の影響が大きいという視点を事業の中心に据えています。

「挑戦したい人って、意外と一人なんです。」という実感から設計が始まりました。

審査員からは、「当事者としてのリアリティが強み」という声がありました。挑戦が孤立しやすい構造を明確に言語化している点も評価されました。まずはスモールスタートで事例をつくることが鍵になるとの講評でした。

谷中 香音さんがピッチをしている様子

 藤井 三千さん/株式会社こみゅニッポン
— 企画発起〜実現までをサポートする、日本とフランス語圏の橋渡しコーディネート

藤井さんは、日本とフランス語圏の間で企画発起から実現までの伴走支援を設計しました。単なる翻訳支援ではなく、文化理解を含めた越境支援という独自性がありました。

「言葉だけじゃなくて、文化を理解して橋渡ししたい。」という言葉に、専門性と当事者性が重なっていました。

審査員からは、専門性と差別化が明確である点が評価されました。文化理解まで踏み込んでいる点が強みとされ、「実績を積み上げて信頼を資産にするモデル」として将来性があるとの講評でした。

藤井 三千さん/株式会社こみゅニッポン
がピッチをしている様子

⑥ 黒瀬 陽音さん
— “好き”を軸に、学生が仲間とつながり、挑戦の一歩を踏み出せるコミュニティ

黒瀬さんは、学生が“好き”を起点に仲間とつながり、挑戦の心理的ハードルを越える環境をつくることを目指しました。学生同士の共創と小さな挑戦の積み重ねが、個々の自信や行動につながるという考えです。

「否定されない場所があれば、一歩踏み出せると思うんです。」という言葉が示すように、この構想は“環境設計”としての価値観が根底にありました。

審査員は「“好き”を起点にしている点が良い」という評価をしました。挑戦前夜の層に焦点を当てている点も共感を得ていました。ターゲットをさらに具体化できれば、実現性がより高まるとのアドバイスがありました。

黒瀬 陽音さんがピッチをしている様子

⑦ 西野 裕子さん
— 妊娠を望む方へ 栄養から未来を支える妊活の家庭教師

西野さんは、妊活中に感じる情報過多や不安に寄り添い、科学的根拠に基づいた栄養伴走支援モデルを提示しました。単なる情報提供ではなく、継続的な伴走設計が革新的でした。

「一人にしない支援をつくりたいです。」という言葉に、想いの中心がありました。

審査員からは、ニーズが明確で、当事者性と結びついている点が高く評価されました。継続的な伴走設計になっていることも実現性の観点で強みとされました。社会的意義とビジネス性の両立が見える構想との講評でした。

西野 裕子さん がピッチをしている様子
<「一人にしない支援をつくりたいです」と語る西野さん。自身の経験をもとに構想を発表。 >

実現へ向かう意志が評価された優秀賞

優秀賞は、西野 裕子さん、谷中 香音さん、馬場 亜希子さんの3名に贈られました。
課題が具体的であり、本人の想いが言葉に結びつき、動き続ける力を感じられる構想を評価されました。

優秀賞発表後、谷中さんはマイクを握り、こう語りました。

「必ずこの事業を実現させますので、これからも応援よろしくお願いします。」

<優秀賞発表後、決意を語る西野さん。>
<優秀賞発表後、決意を語る谷中さん。>


この言葉は、今回のDEMODAYが“終わりではなく始まり”であることを象徴していました。

HANANOWA in NAGOYA で登壇者と審査員が歓談をしている様子
<発表をきっかけに、それぞれの構想について真剣な対話が続いた。>

総評|挑戦が循環する場として

今回のDEMODAYは、参加者一人ひとりが自身の事業や構想に向き合い、これまでの取り組みや課題、次の一歩を自分の言葉で共有する場となりました。
審査基準である「実現性・課題性・想い」は、HANANOWAの考え方そのものです。課題が明確で、想いが本物で、小さくても動き出せる設計があること。それが挑戦を循環させます。

HANANOWAは、完成された成功例を示す場ではなく、揺らぎや迷いも含めて挑戦が続いていく環境です。ここで生まれた挑戦はまだ途中にあります。そしてその輪の中に、次はあなたが加わるかもしれません。

挑戦は特別な人のものではなく、環境があれば誰もが踏み出せるもの。HANANOWAは、その環境をこれからもつくり続けていきます。

HANANOWA in NAGOYA 集合写真
<ここから始まる挑戦。HANANOWAの輪は続いていく。>